正月の「箱根駅伝(1月2、3日)」に向けて、大学関係者がヒートアップしている。
有力校の一角、東洋大は12日、白山(東京都文京区)と朝霞、川越(いずれも埼玉県)、板倉(群馬県板倉町)キャンパスをライブ映像でつなぐ大規模な壮行会を開いた。合わせて約2000人の学生が集まり、2年ぶりの優勝を誓い合ったという。
◆大きいPR効果
箱根駅伝は「東京箱根間往復大学駅伝競走」の略称で、来年1月は90回の節目の記念大会となる。発着点の東京・大手町はもちろん、折り返し点の箱根湯本までの沿道に人垣ができるビッグイベントになったが、主催は関東学生陸上競技連盟で、覇を競うとはいえ単なる地方大会に過ぎない。
レースは2日間にわたって日本テレビ系列で全国に生中継される。今年1月の89回大会の平均視聴率は2日の往路が29.1%、3日の復路が27.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)をマークした。毎年、25%以上の高い数字を期待できる人気番組となった。
沿道には各校の幟(のぼり)が数え切れないほど掲げられる。売り込むために、選手とともに大学関係者も戦っている。
私立大の志願者数は今春、339万171人と前年比19万2043人増えた(日本私立学校振興・共済事業団調べ)。首都圏の大学は、それなりの実績をあげているとはいえ、少子化の波は押し寄せ、定員割れの恐怖が待ち受ける。伝統校も生き残りをかけた懸命の努力が続く。
私大の収入の大きな柱は受験料、一人でも多くの志願者を確保しなければならない。合計11時間以上にわたってテレビ中継される箱根駅伝は優良コンテンツである。
壮行会が盛り上がった東洋大といえば、「山の神」の異名で大活躍した柏原竜二選手の母校である。2009年に初めて総合優勝を成し遂げたこともあり、受験者数を着実に伸ばしている。