「当時と状況似ている」
大多さんは7年に編成部に異動し、ドラマ作りの現場から離れた。バブル崩壊の影響もあり、視聴者は次第にトレンディードラマに共感を寄せなくなった。ただ、今月1日にはW浅野主演の「抱きしめたい!Forever」が放送され、日中合同でリメークされた映画「101回目のプロポーズ ~SAY YES~」が公開されるなど、“系譜”は今も生き続けている。
大多さんは、今はトレンディードラマが勃興した時代と状況が似ていると指摘する。
「『若い人はテレビを見ない、恋愛ドラマなんて当たらない』と言われた時代に、自分はあえてその逆を張って当てることができた。今の若い作り手には、逆を張ったり、『目立ちたい』という視点を持ってほしいな。もっとも、自分が恋愛ドラマばっかり推奨するから、周囲は困っているんだろうけど…」 (視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)
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【プロフィル】大多亮
おおた・とおる 昭和33年、東京都出身。56年、フジテレビ入社。第1制作部プロデューサーとしてドラマ「東京ラブストーリー」「101回目のプロポーズ」「ひとつ屋根の下」などを制作。ドラマ制作センター室長、デジタルコンテンツ局長などを歴任し、平成24年から常務取締役。