たばこ関連4工場の閉鎖と、社員1600人の削減計画を30日発表したJT。事業の中核である国内販売の右肩下がりが続く中、「持続的成長を維持するには、課題を先送りせず取り組むことが最善」(佐伯明副社長)と判断した。
繰り返した事業買収によってグループ全体のたばこ売上高は世界3位を占め、すでに海外売上高が国内を上回っている。今回発表した大規模リストラ計画により、海外へのシフトが一段と加速しそうだ。
「成長分野への投資を最優先したい」。JTのたばこ事業トップを務める佐伯副社長は会見で、リストラによって削減する固定費の使途をこう説明。販売拡大を見込める海外でのマーケティング強化に注力していく考えを強調した。
同社の調査によると、国内たばこ市場規模は、少子化もあって縮小の一途をたどる。最近の20年間で販売本数は約4割減少し、30年前の1983年には70.9%だった20代男性の喫煙率も、今年は29.9%とついに3割を下回った。