来春拡大される羽田空港の国際線発着枠(昼間帯)16往復分の配分で、国土交通省が日本航空5に対し、全日本空輸11と優遇したことが波紋を呼んでいる。
国交省は公的資金でスピード再建した日航と全日空との間の経営格差をなくし、公平な競争環境を確保するためと説明した。だが実際は、民主党政権下で再建した日航に対する自民党の反発から「官邸主導で決まった」との見方が強い。官民の溝は深まるばかりだ。
ドイツ便の衝撃
「ドイツ行き2往復分がすべて全日空に行った影響は大きい。決定のプロセスが不透明で不公正だ」
4日の会見で日航の植木義晴社長は語気を強めた。これまで羽田の国際線発着枠は両社が8往復分ずつの均等配分だっただけに。日航は同日、決定に至った経過を説明するよう国交省に要請。回答の内容次第では行政訴訟に踏み切る可能性も示唆し、対立の姿勢を鮮明にした。