住宅ローンをめぐり銀行間の競争が激化している。消費税増税を控えて住宅の駆け込み需要を狙い、利用者にとって最大の魅力となる「金利」を大手銀行が矢継ぎ早に引き下げた。新興勢力のインターネット銀行や地方銀行も、低金利や利便性を武器に顧客獲得へ切り込む。融資を増やしたい金融機関にとって住宅ローンは有望な貸し出し先だ。貸し出し拡大へ手を緩める気配はない。ただ、金利引き下げで住宅ローンの収益性は悪化しており、将来的に銀行経営の重しに転じる危うさも指摘されている。
小刻みにしのぎ削る
「異例中の異例だ」
相次ぐ住宅ローン金利の改定に、銀行関係者も驚きの色を隠さない。慣例的に住宅ローン金利は、毎月1日に改定される。だが、この8月は、月の半ばに改定する銀行が相次いだ。
金利下げの先鞭(せんべん)を付けたのはみずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友信託銀行の3行。9月1日には三菱東京UFJ銀や三井住友銀行、りそな銀行なども固定10年型を0・05%~0・2%引き下げた。