同国では、米石油大手や日本企業が参画する複数の液化天然ガス(LNG)の開発案件が計画されている。パプアニューギニアもトルクメニスタンと同様、LNG輸出だけでなく、ガスを使った産業育成で雇用を創出しようと、技術や人材育成に優れた日本企業の進出に期待を寄せる。
だが、両国には中国も働きかけを強めている。中国の習近平国家主席は9月上旬、「シルクロード経済ベルト構想」と称して中央アジア4カ国を歴訪した。トルクメニスタンとは、20年までにガス輸入量を現在の3倍以上に増やすことで合意するなど、中国マネーで存在感を高めている。
同様に中国はパプアニューギニアでも、約2800億円を上限とする借款を行うなど、大盤振る舞いが伝えられた。資源に加え、周辺は世界有数のマグロやカツオの漁場で、食糧資源の確保も狙いのひとつとされる。「有事の際に戦艦を展開できるよう、港湾投資も加速している」(関係者)と、中国の札束攻勢はとどまるところを知らない。
中国のバラマキ戦略に対抗するには、技術力を武器にした経済協力や日本流民間ビジネスでいかに親日国を増やせるかにかかっている。(上原すみ子)