CDの3~8倍程度の情報量を持ち、スタジオの原音により近い高音質の「ハイレゾリューション・オーディオ」音源に対応したオーディオ機器市場が立ち上がってきた。JVCケンウッドは10日、同市場への本格参入を発表したほか、ソニーも対応機種の拡大を進めている。インターネットの通信環境が整って音楽配信が身近になり、音にこだわる消費者が増える中、メーカー側も高級オーディオ機器を取りそろえ、市場全体を盛り上げたい考えだ。
「いい音で音楽を聴きたい音楽愛好家と、いい音で聴いてほしい音楽制作者のそれぞれの望みを実現したい」
JVCケンウッドの宮本昌俊オーディオ事業部長はハイレゾ機器への市場参入を決めた理由について、同日の会見でこう説明した。同社は、高音質のオーディオ機器「Kシリーズ」を刷新すると発表。ハイレゾ音源を再生できるアンプ(希望小売価格9万4500円)や、CDの音楽をハイレゾ並みの音質に向上させる技術を用いたCDプレーヤー(同7万8750円)など、4機種を今月中旬から順次投入していく。