スマートフォンの普及にともない、歩きながらスマホを操作する「歩きスマホ」による事故やトラブルが増えている。駅や公共の場でもトラブルに発展するケースもあり、鉄道各社がポスターや構内放送で注意を呼びかける一方、通信キャリアのNTTドコモもJR新宿駅の階段に大きなマナー公告を出して危険性を訴えている。ドコモの担当者は、「歩きスマホによるトラブルは決して他人事ではなく、自分にも起こりうると気づいてほしい」と警鐘を鳴らしている。
JR四ツ谷駅(東京都新宿区)で5月27日午後、携帯電話を操作しながらホームを歩いていた小学5年の男児が誤って線路脇に転落し、けがをする事故が起きた。国土交通省によると、携帯やスマホなどを使っていた乗客がホームから転落した事故は平成22年度に全国で11件発生、23年度には18件に増えている。
新聞広告やラジオCMで「歩きスマホ」の危険性を訴え、啓発活動に力を入れてきたドコモは、今月5日から18日まで2週間にわたりJR新宿駅の東口付近の階段自体に巨大な「歩きスマホ」のマナー広告を出している。階段に「危険です、歩きスマホ。(本人は、この広告見ないだろうけど)」というメッセージとともに、階段の両側の壁には「この広告には気づかなくても、みんなの冷たい視線には気づいてほしい」と書かれている。