【ITビジネス最前線】ゼストファイナンス、消費者金融に新風 (4/5ページ)

2013.8.5 05:00

 理論的には、従来の信用査定では同程度のリスクありと判断されていた2人に、ネット交流サイト「フェイスブック」の友人の数や携帯電話番号の保有期間といったわずかなデータの差によって、異なる金利が適用される可能性もあるという点だ。

 ゼストファイナンスの信用査定を用いることで、消費者の返済不能に陥る確率が業界の従前の信用評価法を用いるよりも60%近く下がり、これまでにゼストファイナンスの評価法によって貸し付けが承認された消費者の数は倍増した。

 しかし、リスクの高いローンであるということに変わりはなく、査定を経て承認されたとしても、信用力の低い借り主は通常よりもかなり高額の返済を余儀なくされる。

 もう一つの懸念は、ゼストファイナンスに対する政府の監視だ。1万もの項目についての情報といえば、膨大なデータに違いなく、またこれが一体どういった事項を含むのか明らかではない。

 先ほども言ったとおり、このデータによって金利まで決定されるとなれば、ビッグデータが消費者を食い物にする方向で使われないように政府が目を光らせることになるだろう。

 もちろん、ゼストファイナンスが、これまでの信用評価ではどうしても数百ドルが必要なのに借りられなかった人たちに消費者金融への道を開いたことは確かだ。ただ、これほどの膨大なデータは「善い」ことのためにも「悪い」ことのためにも利用できる。

 現状では、ゼストファイナンスのデータ解析アルゴリズムやその結果をどのように使うかという判断は、金融業者に任されている。これは、金融業界に限らず、ビッグデータに対する一般的な懸念であるといえる。

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