【ITビジネス最前線】ゼストファイナンス、消費者金融に新風 (2/5ページ)

2013.8.5 05:00

 先週ゼストファイナンスが2000万ドルを集めた際には、ペイパルの創業者、ピーター・シエル氏が投資ラウンドを率いた。彼は、シリコンバレーでビッグデータとデジタル金融を支持する伝道師の一人としてよく知られる人物だ。最近の投資履歴をみると、ビッグデータからのデータマイニングを手がけるパランティールやオンライン決済のストライプなど伝統的な業界に変化を迫る企業が目につく。

 ◆1万の変数を分析

 ビッグデータは、さまざまな業界に影響を与えるが、特に金融は大きく変わるだろう。ゼストファイナンスのような企業はビッグデータによって、これまでにない積極的な取り組みで膨大なデータを集めて回り、リアルタイムで消費者の習性を分析する。

 ゼストファイナンスは、社名に「ファイナンス」とあるが、実際に貸し付けを行っているわけではない。データ自体をビジネスの柱として、信用力の低い個人に金を貸す業者に対してリスク査定を提供する。現在65人の従業員を抱えるが、そのほとんどがデータサイエンスの専門家だ。

 ゼストファイナンスの扱う変数はなんとおよそ1万、これを約10の機会学習分析モデルにかけて処理する。一般的な貸し付け業者が10から15の変数によって判断していたのと比べると、違いは明らかだ。ビッグデータの解析を行う企業は、「機会学習モデル」の上に、さらに予測分析を重ねて提供する点もユニークだ。

 つまり、データを分析した結果、個人に信用リスクがあると評価した場合に、後で実際に予測が正しかったかどうか解析して次回モデルを適用するときに調整できる。それも、調整はほとんどリアルタイムで行われる。システムは1万のデータポイントを5秒間で駆け抜け、7万もの信号を処理してオンラインでのローンの申し込みに対して瞬時に承認の判断を下すことができる。

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