民主化が進むミャンマーで、大手商社などが空港や火力発電所などのインフラ整備事業を獲得しようと、しのぎを削っている。ミャンマーは、安価な労働力と人口6200万人の消費市場を抱える「最後のフロンティア」。電気、水道などのインフラの貧弱さが成長のネックとなっており、インフラビジネスを得意とする日本企業の出番に期待がかかっている。ただ、欧米や韓国の反転攻勢もあって予断を許さない状況だ。
土壇場で形勢逆転
日本勢は、三菱商事がモンゴルの国際空港の円借款案件を受注するなど、空港建設の実績は多いが、運営の受注実績では海外勢に水をあけられている。経済成長を続けるアジアの空港は旅客数が増え、空港民営化の動きも加速。「この商機を逃さない手はない」(大手商社)と意気込む。
ヤンゴン国際空港から北東約80キロのバゴー市で、2018年に共用開始を目指すハンタワディ新国際空港。総事業費1千億円ともいわれる巨大プロジェクトには、新関西国際空港・日本空港ビルデング・大成建設の連合と、日揮・チャンギ国際空港(シンガポール)の連合などが名乗りをあげる。だが、関係者はウズベキスタンなど海外空港運営で実績のある「韓国の仁川国際空港が一歩リード」と打ち明ける。