2011年には米国の電力会社サザンカンパニーと協力し、アラバマ州の石炭火力発電所で回収能力が1日500トンを誇る大型の装置を建設、実証試験に取り組んでいる。
回収装置の仕組みは、発電プラントなどから出た排ガスを吸収塔に送って冷やし、吸収液と接触させることでCO2を分離し、吸収液に取り込む。その上で、吸収液を加熱するなどしてCO2を回収する。排ガスはクリーンな状態で大気中に放出できる一方、回収したCO2は非常に純度が高いことから、化学品の原料やドライアイスなどにも利用できるようになる。
99年以降、世界で10基を納入。商用のCO2回収装置としては世界トップの実績を誇っている。
三菱重工は肥料製造プラントに強みを持っている。肥料プラントは天然ガスを原料に尿素を生産するが、その際、CO2が足りなくなることがある。回収装置を使えば、回収したCO2を使って尿素の生産量を増やすことができるため、肥料プラントなどに装置を併設するケースが多いという。