日立アプライアンスの二宮隆典社長は10日、フジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、高価格帯のエアコンと冷蔵庫の増産に乗り出したことを明らかにした。今夏の猛暑と安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」効果、さらに消費税増税を見込んだ“トリプル需要”から増産が必要と判断した。
二宮社長によると、エアコンの6月の出荷台数は前年同月の1.6倍に達したという。特にセンサーで間取りや人の動きを把握し、効率良く運転する新製品を中心に出荷台数を伸ばしている。冷蔵庫は400リットル以上の大型タイプ(実勢価格15万円前後)の出荷台数が1.5倍。いずれも栃木事業所(栃木県栃木市)をフル稼働で対応している。
白物家電の売れ行きについて、二宮社長は「昨年よりも少し上の価格帯の製品がよく売れている。年末にかけて盛り上がっていくだろう」と期待を示した。消費が上向いている背景については、アベノミクスによる消費刺激に加え、「来年春に消費税増税が予定され、駆け込み需要が増えていく」と予想する。