各地で猛暑日を記録する中、自然に近い風を再現する高価格扇風機の市場も熱気を帯びてきた。
「羽根のない扇風機」で注目を集めた英ダイソンは今年新たに、日本の和室にあった背の低いモデルを投入、シェア拡大を目指す。一方、日本勢は高い省エネ性能や熱中症を予防する新機能などで対抗する。
9日、和歌山県高野町の高野山総本山金剛峯寺。標高900メートルとはいえ、日中は汗ばむような暑さの中、廊下に置かれた細長い円状の機器から涼しい風が吹き出している。
掃除機で知られるダイソンが提供した羽根のない扇風機「エアマルチプライアーAM02リビングファン」(想定価格5万4000円)。約30台が大広間前の廊下や瞑想(めいそう)を行う道場などに置かれた。
東山教清・開創法会事務局課長は「参拝者に自然に近い空気で涼を取ってもらいたい。省エネにもつながる」と話す。