「独立電波塔として高さ世界一というインパクトがあった」。好調の要因について、スカイツリーを実質的に運営する東武鉄道の根津嘉澄社長は、こう分析する。
東武鉄道利益の3割
東武鉄道の2013年3月期決算は、本業のもうけを示す連結営業利益が、期初見通しを150億円も上回る525億円に達した。このうち約3割の153億円は、スカイツリーによってもたらされたものだ。
スカイツリーは都心部から比較的近く、鉄道で訪れる人が多い。このため、最寄りの「とうきょうスカイツリー駅」は10年度比約4.1倍の1万2022人(1日当たり、定期以外)が利用。隅田川を隔てた浅草駅も36.1%増の2万295人(同)と伸びた。
相乗効果が表れたのは、鉄道だけではない。根津社長が「最も効果が出た」と語るのは、100キロ以上も離れた栃木県日光市のテーマパーク「東武ワールドスクエア」。スカイツリーを観光した後で、足を延ばす人が増えたという。