日本市場で輸入車販売が勢いづいている。2012年度の輸入車販売は24万5679台で、国内新車販売(登録車のみ)に占める外国車メーカーのシェアは過去最高の7.6%となり、シェア1割が視野に入ってきた。日本は日系メーカーだけで8社がひしめく「世界一厳しい市場」(輸入車メーカー幹部)だが、半面、高い利益率を維持できる利点もある。欧州本国での販売が低迷するなか、日本勢が得意とする200万~300万円台の車種を増やし、攻勢を強める戦略だ。
GWに売り込み強化
ゴールデンウイーク(GW)の大型連休が始まった4月27日、都内にある輸入車メーカー販売店の商談テーブルは買い替えを検討する親子連れやカップルでいっぱいになった。国内メーカーの販売店がGW休暇を設ける中、担当者は「GW中も休みなし」と鼻息が荒い。
日本自動車輸入組合(JAIA)によると、輸入車の新車販売は2000年代前半に6%台を維持。リーマン・ショック後は外国車を買い控える動きが広がり販売が落ち込んだが、10年度以降は3年連続で前年実績を上回った。11年度は東日本大震災で部品供給網が混乱し、国内メーカーが新車を供給できなかった影響もあり、過去最高を記録。12年度はそれを上回る好調を維持した。