出店ラッシュにはもうひとつの効果が見込める。心斎橋筋商店街は観光名所の道頓堀と隣接し、アジアからの観光客にも人気が高い。関西国際空港は格安航空会社(LCC)の国際線の就航も増加しており、関西は日本人だけではなく、外国人観光客にもブランドをアピールできる。2度おいしい好立地だ。
店舗数はまだ足りない
H&Mのようなカジュアル衣装チェーンは、ファストファッションと呼ばれ、商品の回転の速さが特徴だ。最新の流行を取り入れたファッションを、こなれた価格で次々と短期間で展開していく。在庫を持たないため、数週間前に並んでいた服がないというのは通常の光景だ。
今回開業した心斎橋店は、戎橋店とわずか1キロの距離にあるが、同士討ちで顧客の奪い合いになる可能性について、エドマン社長は「気軽にいつでも立ち寄れる場所にあるのが理想。まだまだ足りないくらい」と気にしていない。
実際、日本の約30店に対し、H&Mはすでにドイツで400店、イギリスで220店を展開する。今回の3店舗の同時期開業を機に、関西展開はさらに加速していくだろう。