2013.4.7 18:15
フィルター付きベント設備の対応状況【拡大】
【原発再考・安全を極める(2)】
家庭用冷蔵庫ほどの大きさの銀色の箱は、鈍く光っていた。
関西電力高浜原子力発電所(福井県高浜町)の原子炉格納容器内に、この金属製の箱が運びこまれたのは昨年末のこと。3、4号機に各5台ずつ計10台にのぼった。
箱の正体は…。水素爆発を防げ
「原発の安全性を高める大きな一歩だ」。納入元であるフランスの原子力大手アレバ社の首脳はこう強調した。箱の正体は「静的触媒式水素再結合装置」。格納容器内に水素が発生した際、触媒によって水素と酸素を反応させ、水に換えて水素を減らし、過酷事故での爆発を電源なしで防ぐ装置で、国内導入第1号となった。
アレバは原発大国フランスを支える国策企業。原子力産業の広い裾野をカバーし、各分野で世界上位のシェアを誇る。米スリーマイル島原発や旧ソ連のチェルノブイリ原発事故の後処理に携わり、福島第1原発事故後、高濃度汚染水処理の支援にもあたった。