西武鉄道などを傘下に持つ西武ホールディングス(HD)は26日、臨時取締役会を開き、筆頭株主の米投資会社サーベラスによる株式公開買い付け(TOB)に反対する意見を正式に表明した。両社の対立は敵対的TOBに発展した。
同日会見した後藤高志社長は「(2004年12月の)上場廃止以来、早期に良い形での株式上場を最重要課題としてきた」と強調。さらに昨年10月、サーベラス側から西武多摩湖線や国分寺線など地方の鉄道5路線の廃止やプロ野球球団の埼玉西武ライオンズの売却などの提案を受けたことを明らかにした。その上で、「サーベラスが経営に影響力を強めると、企業価値を長期的に毀損(きそん)する恐れがある」との考えを示した。
西武HDとサーベラスは昨年12月をめどとしていた西武HDの再上場で、株式の売り出し価格をめぐり意見が対立。発行済み株式の約32.4%を保有するサーベラスは、約200億円をかけて同社株4%を買い増し、保有比率を3分の1超とするTOBを3月12日から開始。経営への影響力を高め、2、3年後の上場を目指すとしていた。
サーベラスは同日、西武HDの意見表明を受け、「残念だが提案は継続する」(広報)とするコメントを発表した。