「若い人を大切にしなきゃ、と思うんです。いろんなつながりで若いデザイナーさんが持ってきてくれる仕事が新鮮味があって面白いし、ちゃんと活版印刷の魅力を伝えようと思って仕事するのが毎日楽しくて」。そういう三木さんの元にはプロモーションビデオや化粧品メーカーの冊子の仕事などあらゆる仕事が舞い込んでくる。「よそでは断られちゃうような仕事でも、お客さまと入念に相談して、ネガティブなこともちゃんと言って決めていきます。活版印刷で何ができるか、日々挑戦ですよ」
「活版印刷の情報発信者でありたい」と言う三木さんは、活版印刷を愛する有志メンバーと『活版工房』というワークショップを月1回開講している。実際に活字に触れて印刷することで活版印刷の魅力を伝えていこうという取り組みだ。今回のnomazon名刺を印刷していただくに際して、三木さんの元を2回訪れた。フォントを決めて、製版をして、色を決めて、印刷して乾くまで待つ。その間に三木さんと随分話をした。気づけば私も、活版印刷の魅力を伝える媒介者となってしまったのである。完成した名刺は探偵らしく、お仕事をご依頼いただいた際にお渡ししたい。