従来型の衛星携帯電話は端末料金が30万円前後と高価だったが、総務省が震災を機に低価格な新サービスの導入を推進。昨夏からドコモやKDDIなどが英インマルサットの「アイサットフォン・プロ」を発売。端末価格は8万9800円、通話料金は1分160円、月額基本料が4900円と従来サービスに比べて大幅な低価格化を実現し、自治体や企業への売り込みを競っている。
補助金が導入後押し
総務省の調査によると、2011年度の国内衛星携帯電話市場は9万7128台で、前年度比16%も伸びた。もともと「利用層が同じで市場が固定していた」(NTTドコモ法人事業部)ため、年間数%の成長にとどまっていたが、11年3月11日に発生した東日本大震災を機に需要が急拡大した。「12年度は10万台は超えるだろうし、5年から10年は成長が続く」(同)とみており、規模こそ小さいが有力な成長市場として注目されている。