起死回生には「他業種とのコラボに心血を注いでいる時間はない」(証券アナリスト)という指摘も少なくない。
にもかかわらず、任天堂は今後、吉本興業と連携して、Wii U向けに動画配信サービスを楽しめるソフトを提供するなど、異業種コラボを積極的に推進する。
同社が年内に実現を目指す、Wii U用の交流サイト(SNS)機能「Miiverse(ミーバース)」を、スマートフォン(高機能携帯電話)で利用可能にする方針は、「スマホを情報媒体として活用する方法として画期的」(業界関係者)と評価されているが、吉本興業など全く別ジャンルとの協業が業績に貢献するかは「全く未知数」(同)だ。
ゲームを“リアル”にする取り組みは新事業として期待されるものの、本業と離れた異色ぶりは、どこまでファンを取り込めるのだろう。業績復活の救世主に本当になれるのかが、議論を巻き起こしそうだ。(板東和正)