業績悪化に苦しむパナソニックが世界に向けて“脱テレビ”を宣言した。かつて中核だったテレビ事業ではサムスン電子、LG電子という韓国勢に太刀打ちできず、大胆な戦略転換を決断した。
代わって強化を目指すのは車載システムなどの法人向け事業。「将来は自動車メーカーになるかもしれない」とまで話す津賀一宏社長の決断の成否は、国内電機メーカー復権の試金石となる。
GM、IBMと提携
「パナソニックの貢献は、リビングルームをはるかに超えて広がっている」
米国ネバダ州ラスベガスで今月上旬に開かれた世界最大規模の国際家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」。開幕冒頭の基調講演を行った津賀社長は、世界中から訪れた聴衆を前にこう力説した。
テレビを中心としたデジタル家電事業は、パナソニックを支える中核事業だった。