報酬に将来性…止まらない人材流出
「グリーやDeNAに入ると、とてつもない高収入が得られる話が出回っている」
家庭用ゲーム機メーカーに勤める技術者の一人は、そう話す。業界関係者によると、中途採用者の技術者に200万円以上の一時金を支給するソーシャルゲームメーカーまで存在し、転職を希望する技術者が後を絶たないという。
その一方、報酬面だけではなく、下降の一途をたどる家庭用ゲーム機市場に見切りを付け、ソーシャルゲーム開発に転籍する技術者も数多い。
ゲーム雑誌出版のエンターブレイン(東京)によると、平成23年の家庭用ゲーム機向けソフトの日本国内市場規模は、前年比約14%減の2746億円と5年連続で減少したが、スマホ向けなどのソフト市場は、会員制交流サイト関連だけでも同約89%増の2117億円と躍進した。
ソーシャルゲームメーカーへの転職を希望する技術者の男性は「ユーザーが離れていく家庭用ゲーム業界に身を置いていたら、自分の将来が危ない」と危機感を打ち明ける。