東京都の猪瀬直樹副知事が、中部電力に対して電力販売を再要請していることが9日、分かった。
猪瀬氏は今年2月にも中部電に電力供給を求めたが、電力不足を理由に断られていた。中部電は「安定供給がまだ見込めない」と即答を避けているが、再三の要請を受け、東京電力管内への越境販売の実現が早まる可能性がある。
都や中部電によると、猪瀬氏は今年10月から中部電側に電力販売の再考を打診。今月2日には中部電の担当者が都庁を訪ねて電力需給状況などを説明し、8日には猪瀬氏が名古屋の中部電本店を訪ねた。
猪瀬氏は、電力各社が地域独占体質から他電力管内での電力販売努力を怠ってきたと主張。中部電は、東電が募集する事業提携にも応募するなど、取り組みに理解を求めたという。
都は2月、東電の料金値上げに反発。原発比率の低い中部電に新宿区の本庁舎向けの電力供給などを求めた。再要請では、使用電力が少ない施設などへの電力販売を呼びかけたという。