ケーブルテレビ(CATV)最大手のジュピターテレコム(JCOM)は6日、マンション向けに電力の小売りを開始すると発表した。同社の放送・通信サービスとセットで契約すると電力料金を電力会社よりも約10%安くする。電力と通信・放送サービスをセットで提供するのは初めてで、セット販売で顧客の囲い込みにつなげる考えだ。
JCOMは住友商事グループの特定規模電気事業者(新電力)のサミットエナジー(東京都中央区)から電力を調達し、電力を販売する。JCOMは電力単価の安い高圧電力をサミットエナジーから一括購入し、JCOMがマンションに設置した設備で各戸に供給する。セット契約がなくても7%程度安くなるという。12月に東京都杉並区で先行してサービスを開始する。来年以降、サービス地域を全国に順次拡大し、2013年中にも1万世帯の契約を目指す。
通信・放送業界では、NTTファシリティーズがエネットなどと組んで2006年3月からマンション向けに電力供給サービスを展開。契約数は1万2000世帯に上るという。