カー用品市場は、2011年まで3年連続で500万台を割り込んだ新車販売(登録車)の頭打ちや、デフレの長期化で低迷が続いている。矢野経済研究所の推計によると11年の市場規模は前年比0.6%減の約1兆1545億円と、1990年代のピーク時(約3兆円)の3分の1にまで縮小した。
ただ、縮んだとはいえ、年間400万~500万台の新車販売と5800万台規模の乗用車保有台数は、一定の用品・サービス需要を約束しており、厳しい競争に最終的に生き残れば安定した利益基盤を得られる期待がある。
その生き残りをかけた競争で1番手を走るのは、市場シェアが5割を超える最大手のオートバックスだが、2割強のシェアを持つイエローハットが拡大路線にかじを切ったことで2社を軸とした市場の寡占化が今後、加速する可能性もある。
多角化の失敗を教訓にした本業への集中で、収益を再び成長軌道に乗せたイエローハットの復権は、業界の“巨人”の生き残りシナリオにも影響を与えそうだ。(古川有希)