「社内からは『そんなことができるのか』と(居抜き出店に)疑念の声が上がった」(門脇部長)という。
だが、出店部隊は品ぞろえをタイヤやバッテリー、オイルなどの必需品に絞り、タイヤ売り場と車検サービスの施設をメーン店舗と分離してコンビニの駐車場だった場所に設置するなどの柔軟な小型店モデルを開発し、スペースの制約を克服。今では、新規出店の9割以上を居抜き方式で展開するという、カー用品業界では異例の“省エネ出店”を実現した。
このモデルは、投資リスクの低減の一方で、新規出店の機動力を高め、空白地だった地方の小さい商圏の取り込みも可能とした。「これまでタイヤ交換のために1時間かけてカー用品店に行っていた人たちの利便性を高め、バッテリーが上がってもすぐに交換できる地域密着型の店づくり」(同)も進む。
「スケールメリット生かせる段階に」
こうした販売網の拡大は、価格交渉を含めた商品の仕入れ能力やプライベートブランド(自主企画商品=PB)の展開力の向上につながる見込みで、堀江康生社長も「スケールメリットをやっと生かせる段階にきた」と手応えを口にする。