そこで、製品を設置してもらう「ターゲット」として、セガが目を付けたのは、居酒屋やパチンコ店など飲食・サービス業だった。単なるゲーム機ではなく、利用者がゲームで使う液晶モニターにPOP広告を表示する機能を付ければ、「店の売り上げアップにつながる販促ツールとしての役割も担える」という発想からだった。
ゲームと広告を連動させるビジネスを展開するため、トイレッツのコンセプトは「遊べて、伝わる」に決まった。ただ、飲食・サービス業の経営にとっても「かけたお金に対してどれだけの効果があるか」という費用対効果の考え方は最も重要。町田氏は「投資に見合ったリターンがどれだけあるのかを証明できなければ買ってもらえない」と判断。実際に、居酒屋やパチンコ店の店舗にトイレッツを設置させてもらい、その効果を調査することを決めた。
都内のパチンコ店で行った調査では、4種類の味の食品をトイレッツの電子広告と紙の広告で表示した。その結果、4種類の味を全て記憶していた人が紙の広告が15%だったのに対し、トイレッツでは51%と記憶度が高いことがわかった。