軽自動車の販売が好調な中、車いす仕様車でも激しいシェア争いが繰り広げられている。ホンダが8月30日に発売した車いす仕様の軽自動車「N BOX+(プラス)」の出足が好調で、ダイハツ工業の「タント」を猛追する。ホンダは軽をベース車とすることで価格を抑え、需要の掘り起こしを狙う。
東京都江東区の東京ビッグサイトで26日開幕した「国際福祉機器展」で、ホンダはN BOXプラスの車いす仕様車を中心に展示した。価格は143万円からで、年間3000台の販売を計画するが、既に受注は約1500台に上り、増産を検討。会場に駆けつけた伊東孝紳社長も「軽自動車で車いす仕様車を出せた意義は大きい」と胸を張る。
一方、ダイハツは「タント スローパー」(153万4000円から)を一部改良し、10日に発売した。2011年は約2500台を販売した実績があり、今年も「昨年を上回る勢いで売れている」(担当者)。エコカー減税制度で100%の減税対象車となり、同社は「タントの“独壇場”が崩れるかもしれないが、燃費の面でも訴求していきたい」と、ホンダを迎え撃つ構えだ。