携帯電話の勢力図の変化が鮮明になってきた。ソフトバンクの契約数が3000万件を突破し、2位のKDDI(au)との差はわずか約500万件強まで肉薄した。
2008年に発売した米アップルのスマートフォン(高機能携帯電話)を追い風として、ほぼNTTドコモのシェアを食う形でソフトバンクが快進撃を続けているためだ。
ただ、契約総数が日本の人口を超える飽和状態の中で、これまでと同じペースで差を縮めるのは難しい。スマホへの転換が進む中で、データ通信料金などを含めたサービスの充実が今後のシェア争奪戦の勝敗を決めそうだ。
スマホ追い風
「昨日8月11日にソフトバンクモバイルの契約者が累計3000万人を突破しました」。ソフトバンクの孫正義社長は12日、短文投稿サイト「ツイッター」でこうつぶやいた。
2006年4月に英ボーダフォンから日本の携帯電話事業を買収して参入した同社は、割安な料金プランなどで若者を中心に契約数を増やしてきた。参入当時は1521万件だった契約数は、09年1月に2年10カ月で2000万件、その後の3年7カ月で1000万件を上乗せした。