衛星携帯の世代交代、ソフトバンクなど参戦で一気に加速か (2/2ページ)

2012.8.21 05:00

  • 通常の携帯電話並みのサイズで持ち運びしやすいスラーヤの衛星携帯電話

 また、NTTドコモは英インマルサットの衛星携帯電話サービス「アイサットフォン・プロ」を13日に始めた。すでに提供している独自仕様の「ワイドスターII」に比べて、端末価格も通信料金も3分の1前後と安い。KDDIも21日からアイサットフォン・プロの提供を始める。「(既存サービスの)『イリジウム』だけでは競争力がない」(同社幹部)からだ。

 一方、衛星通信サービス会社の日本デジコム(東京都中央区)は、アイサットフォン・プロとスラーヤの両方のサービスをユーザーニーズに合わせて拡販していく方針だ。

 衛星携帯電話は、地上の通信設備を使わず、地上1000~3万6000キロメートルの通信衛星を介して通話やデータ通信を行うため、災害に強いのが特徴。2000年前後からサービスが始まり、国内でもワイドスターIIやイリジウム、インマルサットの「BGAN(ビーギャン)」が提供されている。しかし、契約件数は合計7万件程度にとどまっている。

 東日本大震災後、被災地の自治体や消防署などが数千台規模の衛星携帯電話を使用。公共団体や企業などで災害対策・事業存続のために衛星携帯電話の有用性が再認識されている。(芳賀由明)


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