映像を流さない報道の配慮 既存メディアの限界超えるYouTube (2/5ページ)

2012.8.18 10:35

津波がすべてを押し流した被災地。目を覆いたくなるような“真実”の光景は、新聞では伝えられなかった=2011年6月14日(早稲田大学早瀬翔撮影)

津波がすべてを押し流した被災地。目を覆いたくなるような“真実”の光景は、新聞では伝えられなかった=2011年6月14日(早稲田大学早瀬翔撮影)【拡大】

 経験したことのない程の大きな地震が日本を襲った。死者、行方不明者が2万人を超える未曽有の大災害。被災地の光景はまるで映画「バイオハザード」のワンシーンのようだった。余震に震える人々に追い打ちをかけるように、福島第1原発で爆発が起きた。震災後、被災地から遠い関東地方の人が買い占めに走るなどパニックに陥った。人々は冷静さを失い、不安でいっぱいだった。

 押し寄せる真っ黒な津波や原発の爆発といった映像は、一度は放送されたものの、その後、放送回数はめっきり減ったように思う。不安をあおらないための配慮なのか。

 映像を流さない配慮

 NHK、日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京の主要放送局に取材を行った。「放送回数が減ったという記録は残っていない」や「ノーコメント」との回答が多かったなか、日本テレビは「放送に関しては現場スタッフの判断で映像を流さない配慮をすることはある」と回答。TBSも同様に「内容を流すべきかどうかは、スタッフの倫理判断による」とした。

「震災直後の写真はカメラマンの判断で、会社に送らないものも多数あった」

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