三菱ふそうトラック・バスは、ハイブリッドトラック「キャンター エコハイブリッド」を約6年ぶりに全面改良して、5月に発売した。独自のデュアルクラッチ式自動変速機(DCT)「DUONIC(デュオニック)」と、モーターを直結させた世界初のハイブリッドシステムなどで、トップクラスの燃費と環境性能を実現した。開発を担当した小型トラック・バス商品プロジェクト部の須々木裕太マネージャーに、開発のポイントなどを聞いた。
--新型ハイブリッドトラックの開発で注力した点は
「世界でも最も厳しいとされる『ポスト新長期規制』が2009年から導入されるなど、前モデルを発売した06年以降に、国内で環境規制が強化された。このため、10年に全面改良した小型トラック『キャンター』には、三菱ふそう独自の排出ガスシステム「ブルーテック」を小型トラックとして初めて導入した。このシステムの効果で、規制値に比べて排ガス中の粒子状物質(PM)と窒素酸化物(NO×)について、30%低減を達成した。新型ハイブリッドトラックにも、引き続きブルーテックを搭載する計画だったので、排ガスレベルでは規制対応は十分できるとみて、燃費性能の向上を開発の最大の重点に置いた。運行経費の節約につながり、顧客が使えば使うほどもうけることができるハイブリッドトラックを念頭に置いた」