人気を支えてきた最大の要因は、顧客層とほぼ同じ平均年齢28歳という若い社員たちが仕入れてくる流行に合った商品調達にある。前沢社長も「『好きなものを仕入れておいで』と言っている。ダメだしすることは基本的にない」と強調する。
顧客開拓頭打ち、成長戦略模索
ただ、ゾゾタウンの成功をみて、楽天も同様のサイト運営に乗り出す。加えて、衣料品のネット通販は各ブランドや百貨店なども取り扱っており、ネット通販の拡大に伴い競争は激しくなるばかりだ。
今後の成長に危機感を抱くスタートトゥデイは9月、千葉市の幕張メッセで初の大規模イベントを開く。約100の人気ブランドが秋冬の新商品を発表。出展品についてはサイトから後日、予約注文を受け付ける。「サンプル品を見てもらった上で、メーカー希望小売価格で販売する」(前沢社長)という新しい試みで、2日間で3万人の来場を見込む。
顧客層を広げるため、海外ブランドの獲得も強化。今月には海外セレブのファンも多い英ブランド「TOPSHOP」が出店を果たす。
矢野経済研究所によると、15年度の衣料品EC(電子商取引)市場の規模は9500億円で、衣料品小売市場全体に占める構成比は6%と、10年度(4652億円で2.6%)から2倍近い伸びを示すと予測、まだ成長の余地は大きい。好調を維持するには、「魅力的な国内外のブランドを集め続ける」(クレディスイス証券の山手剛人アナリスト)組織の確立が必要だ。(藤沢志穂子)