米ワシントン大学の生体工学の権威、ババク・パーヴィッツ博士の研究グループは2008年、コンタクトレンズに小さなIC(集積)回路とLED(発光ダイオード)を埋め込むことに成功し、この技術の実用化に向け実験を続けています。
これを装着すれば、グーグル眼鏡と同じように文字や映像が目の前に浮かぶわけです。電力やデータはワイヤレスで送信するそうです。研究チームは既にウサギでの実験で実用化に確たる自信を持ったといいます。
SF映画の世界が猛スピードで現実に近づいているのです。ちなみにグーグル側はこの眼鏡について、現在もテスト中で販売時期などは未定としていますが、この計画を今年2月、いち早くスクープした米紙ニューヨーク・タイムズは、米では今年の年末のクリスマス商戦の時期に、250ドル(約2万円)~600ドル(約4万9000円)で発売される可能性があると報じました。
それにしても、この眼鏡やコンタクトレンズが実用化されたら、携帯電話もiPad(アイパッド)も必要なくなりますね。ぶつくさ独り言をつぶやいている人が増えるのは気色悪いですが、IT(情報技術)機器はこれから、限りなく人間の体の一部と化すのは間違いありません。IT機器とネット技術が身体機能を補完し、われわれの日常生活が豊かになれば素晴らしいと思います。(岡田敏一)
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【プロフィル】岡田敏一(おかだ・としかず) 1988年入社。社会部、経済部、京都総局、ロサンゼルス支局長、東京文化部などを経て現在、大阪文化部SANKEI EXPRESS(サンケイエクスプレス)担当。ロック音楽とハリウッド映画の専門家。京都市在住。
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