枝豆や鶏の空揚げ、フライドポテトなど定番のおつまみを円形トレーに詰めた1890円の「わいわいセット」(2~3人前)など、人数分ごとに3種類のセットを提供。東京で桜が見頃となった先週には、花見用にセットを複数購入する近隣の会社員らの需要で、「魚民」八重洲中央口駅前店などで売り上げが伸びた。
同社は3月から、コンビニエンスストア大手のファミリーマートのインターネットショッピングサイトで居酒屋メニューの通信販売も開始、「家飲み」需要の増加を視野にサービスの多様化を急いでいる。
一方、大手チェーンでは居酒屋からの業態転換を図る動きも出ている。三光マーケティングフーズ(東京都豊島区)は牛丼チェーン「東京チカラめし」の出店を加速、ワタミは一部店舗をファミリーレストラン「饗の屋」に切り替える予定だ。
調査会社の富士経済によると、今年の国内居酒屋市場の規模は11年比1.4%減の2兆165億円と見込まれている。07年から続く市場の縮小で業界全体が正念場を迎える中、顧客の獲得競争はますます激しくなりそうだ。(金谷かおり)