【底流】パナ・ソニー・シャープ新社長の実力は? タイプ三様、再生競う (4/4ページ)

2012.3.25 07:00

記者会見するパナソニックの次期社長に昇格する津賀一宏専務

記者会見するパナソニックの次期社長に昇格する津賀一宏専務【拡大】

  • 新経営体制についての会見を行う、ソニーの平井一夫・副社長
  • 記者会見に臨むシャープの奥田隆司新社長

 海外通の実務派

 4月1日にシャープの新社長に就く奥田隆司常務執行役員は、片山幹雄社長からの打診に「驚きのあまり言葉を失った」という。早くから社長候補と目され、49歳の若さでトップに登り詰めた片山社長とは対照的に、「普段は目立たない存在」(幹部)。社内でも“サプライズ人事”と受け止められている。

 9年からマレーシアに3年間駐在し20年5月からは海外担当役員として海外戦略を陣頭指揮してきた。新興国市場の開拓で出遅れ、海外売上高比率でライバルに見劣りしており、「グローバルで戦える態勢を整えるのに最適」(片山社長)と、白羽の矢が立った。

 座右の銘は「現場主義」。インドで「宣伝には口コミが有効」と聞くと、すかさずマーケティングに取り入れた。昼食時に本社の食堂にふらっと現れ、「ざっくばらんに社員の意見に耳を傾ける」(中堅社員)という。

 片山社長は「非常に誠実な実務派」と評する。現場に根ざした堅実さを、逆境を跳ね返す強い武器にできるかが、再生の行方を左右しそうだ。(田端素央、古川有希、大柳聡庸)


パナ、シャープ、ソニー“赤字地獄” 売り切り型ビジネスの限界

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