定着なるか、廃線観光
経済ななめ読み地域の過疎化などの影響で鉄道路線の廃止が相次ぐ中、廃線跡を観光資源とする動きが各地で広がっている。平成18年に廃止された神岡鉄道(岐阜)跡では、地元のNPO法人が、レール上に据えた2台の自転車で往復約6キロの廃線跡を走行するアトラクションを運営。トンネルや橋を通る際はスリル満点で、年間4万人以上が訪れているという。
同じような施設は宮崎や秋田などにもあり、廃線跡の活用法としてはトレンドだ。当時の車両や駅舎を保存して記念館のような施設を整備しているところもある。ただ、課題は多い。施設の維持には地元自治体の支援が必要なところが多く、安全管理も徹底しなければならない。何よりも一般の認知度は、まだまだ低いのも厳しいところである。
今年4月、廃線で地域活性化を図っている全国のNPO法人や自治体など15団体が加盟して「日本ロストライン協議会」が発足した。お互いに知恵を出し合って「廃線観光」を定着させるのが狙いだ。
廃虚訪問がブームになっているように、廃線跡も「鉄ちゃん」の一趣味にとどまらないよう、協議会の情報発信力に期待したい。(三)
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