若手・ベンチャーが商品化 IoT使い高齢者、視覚障害者支援
モノのインターネット(IoT)を活用した身近な製品が注目されている。通信機能のあるつえ、文字を音声で読み上げる端末など高齢者や視覚障害者らの生活を支援する商品を若手の研究チームやベンチャー企業が開発している。
若手技術者らのチーム「コミュニケーション スティック プロジェクト」が開発を進める高齢者向けつえは、道に迷ったり転倒したりした際に、家族や介護者に位置情報などを伝える通信機能を備えた製品だ。
利用者が転倒したときの検知や、「助けて」といった音声を文字に変換して介護者にメールを送る仕組み。三枝友仁代表は「転倒や事故の不安から外出を控える人が、安心して出掛けるきっかけとなれば」と話す。
事故の際に駆けつけるサービスも盛り込みたい考えだ。1本2万円前後で一般販売を目指している。
「OTON GLASS(オトン・グラス)」(東京都港区)は、眼鏡型のウエアラブル端末を開発、販売している。視覚障害者や文字を読むことが苦手な人らが対象だ。
端末のカメラで撮影した文字を、ネット上の認識技術で音声に換えて読み上げる。利用者はイヤホンやスピーカーから音を聞くことができる。
島影圭佑社長は「父親が脳梗塞の後遺症で言語に障害が残ったことが開発のきっかけだった。文字を読むことが困難な人の日常生活をサポートできれば」と語った。
利用者からは「人に頼らずに文字を読めるのがうれしい」といった声が寄せられている。
現在は受注生産で施設などに販売、2019年には海外展開する方針だ。
「BLINCAM(ブリンカム)」(東京都府中市)は、見たままの瞬間をウインクするだけで撮影できる小型のウエアラブルカメラを開発した。眼鏡の柄の部分に装着して使用する。強くまばたきをするとセンサーが感知し、撮影。画像はネットを通じてスマートフォンで確認できる。18年春には、2万円程度で一般販売したい考えだ。
高瀬昇太社長は「子供の自然な表情、旅行やスポーツなどの撮影に活用してほしい」と話した。
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