セブン&アイ、鈴木敏文前会長の次男・康弘氏が取締役退任へ 創業・伊藤家の攻勢さらに強まる

 
鈴木康弘氏

 セブン&アイ・ホールディングスの鈴木康弘取締役が、退任する意向を固めたことが9日分った。30日付で退任する見通し。鈴木取締役は“カリスマ経営者”と呼ばれた鈴木敏文名誉顧問(前会長)の次男。平成27年から取締役として、鈴木名誉顧問が推し進めた店舗とインターネット通販を融合させる「オムニチャネル」戦略を担当していた。

 鈴木取締役は退任の理由について、「(オムニチャネルなど)業務に区切りがついた」と、説明しているという。

 一方、セブン&アイは、創業者次男の伊藤順朗執行役員を、19日付で常務執行役員に昇格させる人事をすでに決めている。グループの構造改革を主導する経営推進室を新たに設け、伊藤氏が室長を務める。

 伊藤氏は引き続き取締役を兼務。経営中枢の一人として井阪隆一社長を支え、鈴木名誉顧問という“カリスマ”の経営感覚に依存した企業体質からの脱却を目指すものとみられる。