コンビニ、限定商品で知恵比べ ファミマは人気麺「マルちゃん」と初コラボ

 
ファミリーマート限定で29日に発売される東洋水産のマルちゃん正麺カップシリーズの「濃厚担担麺」

 ファミリーマートは、東洋水産の人気即席麺「マルちゃん正麺カップシリーズ」を初めてコンビニエンスストア限定商品として29日に発売する。食品・飲料メーカーの人気シリーズの限定商品は他社との差別化が図りやすく、ファミマは来年までにメーカー主導のコラボ商品を倍増させる計画だ。コンビニ業界では限定商品の投入で顧客の囲い込みが活発化している。

 統合祝いに発売了承

 ファミマはマルちゃん正麺カップシリーズの「至高の一杯 濃厚担担麺」(税込み298円)を29日に発売する。今まで同シリーズの限定商品は人気が高いため、発売が実現しなかったが、メーカー側が9月のサークルKサンクスとの統合祝いとして了承した。

 ファミマとサークルKサンクスは店舗数が約1万8000店まで拡大し、セブン-イレブンの約1万9000店に迫っている。ファミマ商品本部の永井雄一加工食品・飲料部長は「統合効果で、今まで見向きもしてくれなかったメーカーとの商談が増えている」と話す。

 実際に統合以降、メーカーとのコラボ商品約80品を発売しており、「統合前の1.6倍のペース」(永井氏)という。ただ、自社限定品の数ではセブン-イレブンが圧倒しており、統合効果を生かし、追い上げを図りたい考えだ。

 商品全体の半数以上が自社限定品のセブン-イレブンも手綱を緩めていない。先月にはサントリービールの高級ビール「ザ・プレミアム・モルツ」の限定品を発売。今月下旬にはキリンビールの缶酎ハイ「氷結」シリーズから「氷結ストロングサワーレモン」も限定発売する。

 商品戦略を担当するセブン-イレブン・ジャパンの石橋誠一郎取締役は「今後も顧客に満足してもらうため、限定商品を強化したい」と話しており、品ぞろえを充実させる方針だ。

 クラフトビール投入

 一方、店舗数などで大手2社と開きがあるローソンやミニストップは特色ある限定商品を投入している。ローソンはヤッホーブルーイング(長野県軽井沢町)と共同開発したクラフトビールを発売。ミニストップはチロルチョコのドリンクや、らあめん花月嵐と共同開発したラーメンなどを投入する。

 コンビニ大手は自社主導でメーカーと商品を共同開発するプライベートブランド(PB)も展開している。セブン-イレブンは「セブンプレミアム」、ファミマも「ファミリーマートコレクション」を展開し、固定ファンの獲得に力を入れている。

 ただ、最近ではメーカー主導で、人気シリーズの限定品を積極的に投入する動きも目立っている。ファミマはサークルKサンクスとの統合効果を生かし、人気シリーズの限定品をさらに増やす方針を示しており、コンビニ各社による競争は今後ますます激化しそうだ。(黄金崎元)

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 ■人気シリーズのコンビニ限定商品

 (商品名/協力メーカー)

 ・ファミリーマート

  い・ろ・は・すマンゴー/日本コカ・コーラ

 ・セブン-イレブン

  ザ・プレミアム・モルツ(スパークリングゴールド)/サントリービール

  氷結ストロングサワーレモン/キリンビール

 ・ローソン

  僕ビール、君ビール。/ヤッホーブルーイング

 ・ミニストップ

  チロルチョコドリンク/チロルチョコ