富士フイルム、豪ベンチャーに3億円出資 再生医療の研究加速

 

 富士フイルムは5日、オーストラリアの再生医療ベンチャー、サイナータ・セラピューティクスに300万ドル(約3億円)を出資すると発表した。サイナータの第三者割当増資を引き受け、10%強の株式を保有する見込み。サイナータから技術やノウハウを取得し、自社の再生医療製品の研究開発を加速させる。

 サイナータは今年末から、骨髄移植や輸血を受けた後に起きる合併症「移植片対宿主病(GVHD)」の患者を対象に、再生医療製品の臨床試験を行う予定。試験では、富士フイルム子会社の米セルラー・ダイナミクス・インターナショナル(CDI)が提供したiPS細胞が使われる。

 富士フイルムはCDIを通じて、米国国立衛生研究所の下部組織、国立眼科研究所とiPS細胞に由来する細胞を使った共同研究開発も進めている。