「値下げ要請くるかも」…中小企業、円高を警戒
英EU離脱「円高は進むのかな…」
日本の技術力を支える中小企業が軒を連ねる東京都大田区。その中にある金型メーカー「並木金型」の並木正夫会長(75)は、英国のEU離脱決定のニュースをパソコンで見ながら、こうつぶやいた。
自動車や自転車の部品製造などを手がける、従業員10人の町工場。「アベノミクス」の影響で元請け企業の業績は好調だが、「部品を高く買うようになるわけではない」ので景気回復の実感はあまりない。それでも、「商品開発費が以前より多く使えるようになったのか、最近は試作品の発注が増えた」と先行きに明るさが見えていたところだった。
しかし、EU離脱に伴う急激な為替変動は、元請け企業の経営を直撃しそうだ。「円高になると取引先からの値下げ要請がくる」と並木会長。円高の影響で輸出の赤字がかさめば、しわ寄せは末端の中小企業に襲いかかる。「取引先からは、数%の値下げを求められるだろう。痛手には間違いない」と肩を落とす。
「1ドル当たり、110円あたりで安定してほしい。100円を切るようなことがあれば、売り上げに影響が出るかもしれない」と不安を口にした。
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