東京ガス、家庭電力販売40万件へ 新規参入組で首位目指す

 
記者会見する東京ガスの広瀬道明社長=14日、東京都千代田区

 東京ガスの広瀬道明社長は14日、東京都内で会見し、4月の電力小売りの全面自由化で参入した家庭用電力販売について、「今年度は当面40万件を目指したい」と述べ、新規電力事業者の契約件数で首位を目指す方針を明らかにした。自由化で契約を切り替えた家庭は全国で50万件を突破する中、東ガスの契約件数は11日時点で約26万件に達し獲得件数で先行。獲得ペースが緩まなければ、早期に目標件数を引き上げる。

 東ガスは年明けから、首都圏でガスとセットにした家庭用電力販売の申し込み受け付けを開始。約3カ月間で積み上げた契約件数に関しては、「時間と労力が必要で、順調という言葉は使いづらい」と述べるにとどめた。ただ、「ブランド力を生かして機動的にやっていく」とも語り、魅力的なサービスの拡充などで家庭を引き付け、東京電力ホールディングスから顧客を奪う考え。2020年までに家庭用で100万件の契約獲得を目指す方針も明らかにした。

 また、強化中の自主電源について、「新エネルギー分野が出遅れている。真剣に考えなければならない」とし、従来の火力発電だけでなく、風力発電など再生可能エネルギーを利用した発電事業を強化する。

 第1弾として、福島県が進める県沿岸部の風力発電構想に参加し、風力発電事業の事業化を検討していく。

 一方、1年を切った都市ガス小売りの全面自由化について「(大手電力の参入で)2、3割の顧客を奪われるだろう」と述べ、改めて危機感を示した。