トヨタが出願した「空飛ぶ自動車のための折り畳み可能な翼」とは?

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 トヨタの北米での開発・生産子会社である、トヨタモーターエンジニアリング&マニュファクチャリングノースアメリカ(TEMA)がアメリカで出願したいわゆる「空飛ぶクルマ」特許の詳細をご説明します。

 (出典:米国特許商標局)

 タイトルが「空飛ぶ自動車のための折り畳み可能な翼」とあるUS2015/0246720A1:Gandhi et al.特許の全体構造は、FIG.1に沿って説明するとエアロカー10の屋根には4枚の翼22が搭載され、エンジン16で駆動される推進システム18が備えられています。

 (出典:米国特許商標局)

 FIG.1の路面走行モードから4枚の翼22を展ばして大きな揚力を発生させると、離陸することができる、というアイデアになっています。このアイデア自体は漫画チックな印象を受けますが、技術的なキーポイントは翼22にあります。

 (出典:米国特許商標局)

 FIG.1の翼22は大きな断面で折り畳みには不利な形状ですが、FIG.5とFIG.6に示すように翼22の下面36Bが支柱60で変形できる点が、このGandhi et al.特許のキモだと思われます。

 (出典:米国特許商標局)

 このように翼22の断面形状をFIG.8のように大きくしたり、FIG.7のように小さくしたりできると、今回のような空飛ぶクルマに限らず、一般の航空機の翼として大きなメリットがあると、考えられます。

 この翼22の断面変更可能な構造にこそトヨタあるいはTEMAの真の目的が隠れているのではないでしょうか?

 (山内 博)

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