(2)ディーラー社員もレースに挑戦 白熱の「SUPER GT」(PR)

サーキット考
鈴鹿サーキットの高速コーナーを駆け抜けるマシン

■カスタマーレースの魅力満載 GT300クラス

 人気の国内自動車レース「SUPER GT選手権」が後半戦に突入した。大手自動車メーカーが自己資金で参戦するワークスの「GT500」クラスと同様に、プライベーターと呼ばれる個人がチームオーナーとして参戦する「GT300」のタイトル争いも本格化。車体を美少女キャラクターでラッピングしたマシンが、可愛らしい見た目とは裏腹に爆音を響かせながら国内外のスーパーカーと激しく競り合うなど、独特の存在感でファンを魅了するカスタマーレースの構造に迫る。

 プライベーターがレースチームを編成し、メーカーから5000万円前後でGT300用車両を購入して大会に参戦するカスタマーレース。一言でプライベーターといっても、チーム形態はさまざまだ。パーツメーカーやモータースポーツ好きの富豪が道楽として参戦するケースが大半だが、プロモーション活動を目的に副業としてチームを設立する会社経営者もいる。

 《多種多様のチームが参戦》

 レクサスの「RC F GT3」で参戦するLMcorsaは、大阪トヨペットグループ(OTG)を母体に活動する異色の“販売店チーム”だ。レースチームは一般的に監督やエンジニア、メカニック、マネジャーなど15~30名のスタッフがいるが、同チームは外部から招いた2名の専門家を除き、OTGの社員だけで参加している。

 小林敬一監督は「このカテゴリーにカーディーラーが参戦することは、10年前では考えられないようなすごいこと。大阪に帰れば、トヨペットのつなぎを着て仕事をしている社員の集まりなんです」と語る。

 そもそもディーラーが参戦する理由は何なのか。OTG社長でチームオーナーの横山昭一郎氏はこう話す。「お客様とじかに接する販売店として、レースを通じてみなさまと『夢』や『感動』を分かち合いたい。また、社員に自信と誇りを自覚してもらい、モチベーションの向上を図っている」

 《ファンが支援「個人スポンサー制」》

 グッドスマイルレーシング&TeamUKYOは、フィギュアなど玩具を製造する会社が母体だが、同時に「個人スポンサー制度」を導入することで何万人ものファンが“共同オーナー”を務める特殊なチームだ。メルセデスのマシンは、ファンに絶大な人気を誇る初音ミクをあしらったデザイン。元F1ドライバーの片山右京監督は「これだけたくさんのファンがいるチームは世界的に見ても珍しい」とサポーターの存在の大きさを語る。メルセデスからは「クルマのトラブル対応やプログラムのアップデートをしてもらう」など、技術的な支援を受けながらシーズンを戦っている。

 多種多様のチームが混在するGT300の第6戦は、9月19~20日にスポーツランドSUGOで開催。プライベーターたちの熱戦から目が離せない。