財務省が8日発表した2月の国際収支(速報)によると、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支は2兆4349億円の黒字だった。原油安を背景に貿易収支が黒字転換した。さらに、中国の春節(旧正月)連休で、訪日する中国人観光客が増加したため、旅行収支が比較可能な平成8年以降、2月としては過去最大となる1238億円の黒字となった。「爆買い」が貢献した格好だ。
経常収支の黒字は20カ月連続で、黒字幅は前年同月比63・7%増えた。
輸出から輸入を差し引いた貿易収支は4252億円の黒字で、前年同月の赤字から黒字に転換した。輸出額は5・5%減と6カ月連続でマイナスとなったものの、原油価格の下落で輸入額が14・6%減と14カ月連続で前年割れしたことが貢献した。
貨物輸送や旅行などに伴うサービス収支は1595億円の黒字で、前年同月の赤字から黒字転換した。第1次所得収支は2兆451億円の黒字で、前年同月から黒字幅を拡大した。証券投資収益などが増えたためで、統計を比較できる昭和60年以降で2月として過去最大の黒字となった。