【上海=河崎真澄】香港の入境事務局によると、今月7日から13日までの中国の春節(旧正月)7連休のうち、12日までの6日間に中国本土から香港に入境した人は延べ74万4千人で、前年の春節連休に比べ11・7%の大幅減になった。なかでも本土からの団体ツアーは連休前半の4日間で約100組と例年の3分の1以下となり、「十数年で最大の落ち込み」と観光業界団体は肩を落としている。
香港では昨年来、日用品を買いあさって本土で売りさばく「運び屋」に批判が高まり、中国本土からの客を排除しようと“反中デモ”がエスカレート。急進的民主派の若者らが9日未明、親中派とみなす香港警察と繁華街で衝突する騒ぎが起きたこともあり、混乱を嫌った本土からの団体にキャンセルが相次いだ。
米ドルと連動する香港ドルに対して元安の傾向が続き、香港のショッピングで割安感が得にくくなったことも背景にあり、中国人客が敬遠し始めた。高級ブランド店や貴金属店などで閑古鳥が鳴き、香港紙には「日増港減(訪日客は増え香港は減少)」という表現も登場。買い物以外にも温泉やグルメなど観光資源の多い日本に「爆買い中国人客を奪われた」との“恨み節”が広がっている。