ケチりにケチって経済負担を最小限にした国防システムは、韓国の置かれた状況ではほかに選択肢がないとはいえ、経済的には絶望的な手法だ。
経済に寄与せず
韓国を例にとれば、徴兵制とは、44万人の若者を国の経済活動から“切り離す”ことを意味する。
旅行にも行けず、外食も飲み会も映画もなし。国境警備の任務につくと、さらに悲惨だ。韓国SBSテレビ(電子版)などによると、北朝鮮との国境地帯のうち東部の標高約1000メートルの地域の基地には売店すらなく、「黄金馬車」と呼ばれる行商のトラックが希にやって来るのだが、懐には月に1万3千円の小遣い銭しかない…。
民間人のように金を儲けることもなければ使うこともない。経済活動とは「お金」を社会に循環させることであり、誰もが溜め込み使わなければ経済はどん底となる。ところが韓国では、社会人としてバリバリ働いたり、あるいは学生として学費を払いアルバイトもすればレジャーや趣味にお金を使うはずの若者44万人が、軍隊に強制入隊させられる。